脱退一時金の計算
日本の年金に6か月以上入っていた外国人が日本を出ると、払ったお金の一部が「脱退一時金」として戻ります。数えるのは60か月までです。
国民年金(自営業・学生・仕事をしていない人)
厚生年金(会社で働いていた人)
標準報酬月額は、手当を含めた1か月の給料に近い金額です(上限 65万円)。給与明細やねんきん定期便でわかります。
請求の期限
請求できる人
- 日本の国籍がなく、日本に住所がない人(転出届を出した人)。
- 国民年金の保険料を払った期間か、厚生年金に入っていた期間が6か月以上ある人。2つは合わせて数えません。
- 日本の老齢年金をもらえない人(合わせて10年より短い人)。障害年金をもらう権利を持ったことがない人。
- 日本から転出してから2年以内に請求する人。
請求する前に
- 脱退一時金をもらうと、計算に使った日本の年金の期間はすべてなくなります(60か月を超えた分も)。また日本で長く暮らすかもしれない人は、よく考えてください。
- 日本と社会保障協定で期間を通算できる国(アメリカ、ドイツ、フランス、カナダ、オーストラリア、ブラジル、フィリピン、インド、スペインなど20か国)の人は、もらったあと日本の期間を自分の国の年金に足せなくなります。イギリス・韓国・中国・イタリアとの協定には通算がありません。
- 5年より長くいるときは、日本を出るたびに請求します(例:技能実習のあとに一度、特定技能のあとにもう一度)。
- 上限を8年にすることが発表されていますが、まだ始まっていません。再入国許可を持っている間は請求できないという決まりも成立していて、遅くとも2029年6月までに始まります。
20.42%の税金を取り戻す
- 税金が引かれるのは厚生年金の分だけです(20.42%)。国民年金の分は引かれません。
- 日本を出る前に、納税管理人(日本に住んでいる人ならだれでもよい)を決めて、最後の住所の税務署に届け出ます。
- お金を受け取ったら、支給決定通知書を納税管理人に送ります。次の年の1月1日から、納税管理人が「退職所得の選択課税による還付のための申告書」を出します。
- 同じ年にほかの退職金がなければ、たいてい引かれた税金が全部戻ります(国税庁の例も全額)。
請求のしかた
- 「脱退一時金請求書」を使います(国民年金と厚生年金を1枚で。14の言語があります)。
- 日本年金機構に郵送するか、e-Govで電子申請します。転出日より後に届くなら、日本を出る前に送ってもかまいません。
- パスポートの写し、銀行口座の証明(ゆうちょ銀行は受け取れません)、基礎年金番号がわかる書類をつけます。
- 請求書が届いてから、およそ4か月でお金が振り込まれます。
国民年金の脱退一時金額(基準月が2026年4月〜2027年3月)
| 月数 | 金額 |
|---|---|
| 6–11 | 53,760円 |
| 12–17 | 107,520円 |
| 18–23 | 161,280円 |
| 24–29 | 215,040円 |
| 30–35 | 268,800円 |
| 36–41 | 322,560円 |
| 42–47 | 376,320円 |
| 48–53 | 430,080円 |
| 54–59 | 483,840円 |
| 60か月以上 | 537,600円 |
厚生年金の支給率
| 月数 | 支給率 |
|---|---|
| 6–11 | 0.5 |
| 12–17 | 1.1 |
| 18–23 | 1.6 |
| 24–29 | 2.2 |
| 30–35 | 2.7 |
| 36–41 | 3.3 |
| 42–47 | 3.8 |
| 48–53 | 4.4 |
| 54–59 | 4.9 |
| 60か月以上 | 5.5 |
出典
- 日本年金機構: 脱退一時金の制度
- 日本年金機構: 脱退一時金の請求手続き
- 日本年金機構: 脱退一時金請求書(各言語)
- Japan Pension Service: Lump-sum Withdrawal Payments (English)
- 日本年金機構: 社会保障協定の国別一覧
- 国民年金法 附則第9条の3の2 / 厚生年金保険法 附則第29条 (e-Gov)
- 国税庁: 退職所得の選択課税による還付のための申告書 記載例
最終確認: 2026-10-07. この計算は目安で、法律や税の助言ではありません。実際の金額は日本年金機構が決めます。